真紅の章
はじめて、彼女を見たとき、衝撃だった。 俺は、今までそんなに綺麗な女(ひと)を見たことがなくって、 彼女に目を奪われていた。 輝くような美しさは物語の中から抜け出てきたような女神そのものだった。 (・・・本当に女神だったんだけどね。) 俺はまだガキだったから、 そんな俺の中の心を理解することができなくって、 意地を張ってばかりいた。
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