まってるから・・・
「・・・いいの?」
「・・・いいの!」
「でも・・・」
「でも?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・こういうのは嫌だったかな?・・・」
「!(ふるふる!!)」
「そ、そうか?・・・」
「・・・(こくこく)」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・ほ、ほら。俺って今までがいままでだから、女の子が喜ぶ物なんてわかんないし」
「・・・ごめんなさい」
「???な、なんで沙織さんが謝るの?」
「・・・・・」
「・・・だって、私に関わらなければ、星矢は聖闘士になることもなかったし」
「それに・・・、命を落とすような事だって・・・」
「・・・なんだ、そんなことか」
「!そんなことじゃないわ!!」
「本当に、・・・本当に死んでしまうかと心配したのよ!」
「わ、わかった、わかったから。・・・そう怒らないでくれよ」
「もう!、星矢なんてしりません!!」
「・・・ったく、知らなかったぜ。沙織さんがこんなに心配性だったなんて」
「仮にも俺だってアテナの聖闘士なんだぜ。少しくらい信じてくれてもいいと思うんだがなぁ・・・」
「そんなことはわかってます!」
「だったら少しは安心して、はやく元気になれよ」
「わかってます」
「・・・ハーデスとの戦いで死にかけたおれがピンピンしてて、護ったはずの沙織さんが寝込んでたんじゃ信用無いぜ(笑)」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・ごめん」
「・・・・・」
「俺があんなことにならなきゃ、沙織さんが無理をして寝込むこともなかったんだよな・・・」
「・・・・・」
「もう無理はしないから」
「・・・星矢のは、無理じゃなくて無茶だわ(ぐずぐず)」
「・・・ゆるしません・・・・・」
「・・・・・な・・」
「絶対に、ゆるしません」
「そ、そんな・・・」
「謝ってるじゃないか」
「だめです。誠意が感じられません」
「そ、そんな。誠意って・・・そのぬいぐるみじゃだめか、やっぱり?」
「・・・・・(怒)」
「・・・・・(汗)」
「人の心をモノで釣るのですか星矢は(むす)」
「い、いや。そうじゃなくて」
「だから、沙織さんここのところ機嫌悪いし・・」
「・・・・・(ジロ!)
「俺頭悪いから、どうしていいかわかんないし・・」
「・・・・・(じーーッ)」
「命のお礼なんて考えつかないし・・・」
「・・・・・」
「だから・・・その・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・なの・・」
「・・・?」
「・・・星矢は何か見返りが欲しくて私を護ってくれたの・・・」
「!ちがう、それはちがうよ」
「・・・じゃあ。・・・どうして?」
「・・・上手く言えないけど。つまり、・・・沙織さんだからかな・・・」
「私だから?・・・」
「だから、その、俺にとって沙織さんは沙織さんだから・・・」
「アテナとか、聖闘士とかじゃなくて。あそこに居たのが沙織さんで、俺はただ沙織さんを護りたいと思っただけなんだ・・・」
「・・・無茶なことをしたのも、沙織さんに苦労をかけたことも謝るけど、でも。俺はやっぱり沙織さんを護りたかった・・・」
「・・・ほんと、ごめん」
「それと、ありがとう沙織さん。俺の命をすくってくれて・・・」
「・・・・・」
「・・・ゆるします」
「え?・・・」
「今回だけは許してあげます」
「ほんと?」
「・・・(こくん)」
「はぁ〜〜、よかったぁ〜〜〜」
「くすくす・・」
「今回は、このぬいぐるみに免じて許してあげます(くす)」
「はぁ〜?、なんだよ。それぇ??」
「くすくす・・・ないしょです」
「まさか、次からはそのぬいぐるみより高くつくのかよ??」
「・・・あら、お金では買えなくてよ」
「??金で買えない???」
「・・・だって、非売品ですもの」
「非売品?!」
「そう、非売品・・・」
「・・・(絶句)」
「心配ないわ、星矢ならスグにでも手に入れられます・・・」
「・・・俺なら?」
「そう、星矢なら(にっこり)」
「・・・むぅ〜〜〜」
「ふふ・・。私は、いまスグにでも手に入れて欲しいなぁ・・・」
「わたし・・・、まってるから・・」
「ねぇ、うさぎさん(抱きしめ!)」
「・・・むぅ〜〜〜」
小説&イラスト by G'さま